第1話|バヤシの隣にいる人間
こんにちは、石田ひろこです。
逆算ゴルフのレッスンを担当している若林由美は、LPGAのプロゴルファーです。
若林はプロテストを1位で合格しました。
ただ、そこからが順調だったわけではありません。
長く苦しんだ時期があり、その回り道の末に生まれたのが「逆算ゴルフ」という考え方です。
以前、その半生を「バヤシの履歴書」としてお伝えしたことがあります。
読んでくださった方も、いらっしゃるかもしれません。
あのストーリーの中の後半から、実はずっと若林の隣にいた人間がいます。
それは私です。
ゴルフのプロでもなければ、ゴルフが上手いわけでもありません。
それなのに、なぜ私がこの事業に必要だったのか。
教えるのは若林です。
でも、逆算ゴルフのレッスンの形そのものは、常に2人で作ってきました。
これから少しの間、その話をさせてください。

第2話|28年間、会社員でした
私は新卒からずっと、積水ハウス関係の不動産会社で働いてきました。
勤続28年。
会社で初めて産休を取り、3人の子どもを育てながらの正社員生活でした。
今から30年近く前、まだ何もかもが手書きだった時代に、顧客管理や日々の業務をシステム化して、劇的な省力化を実現する。
今でいうDXのようなことを、先頭に立ってやっていました。
当時、周りからは「そんなことをする必要があるのか」とも言われました。
目の前の仕事を今まで通りにこなすほうが早いように見えるからです。
でも、手順が決まっていないから毎回考え直すことになる。
記録がないから同じ失敗を繰り返す。
仕組みがないことのほうが、結局は時間を奪っている。
変化をさせるのは大変だけど、長い目で見ると今取り組む価値のあることだ。
私はそう考えていました。
改めて考えると、面白いものですね。
実はこれ、いま逆算ゴルフで私がやっているのと同じことです。
ゴルフの上達を、感覚や根性、小手先だけではなく、順番と数値化、記録で組み立てる。
何をどの順番でやるのか。
何を基準にするのか。
何を記録し、何を見返すのか。
逆算ゴルフの仕組みの部分は、私が設計しています。
ですが、会社員当時の私には心のどこかに「もっと他にもやりがいを持ちたい」という思いがありました。
働きながらも自分が本当にやりたいことは何かと探しながら過ごす日々。
その中で出会ったのが、のちに私の仕事になる「コーチング」でした。
でも、コーチングに出会ったきっかけは、前向きな話ではないんです。

第3話 |八方塞がり
コーチングに出会った頃の私は、八方塞がりでした。
仕事、家事、3人の育児。そこに、10年前から寝たきりだった母。
母は64歳で突然の脳出血で倒れ、それからずっと介護が必要な状態が続いていたのです。
いつも味方になって助けてくれていた母の存在がないこと。
そこへ追い討ちをかけるように、主人が癌になりました。
そして私自身も、ストレスからめまいで倒れ救急車で運ばれて、なんと主人と同じ病院へ入院。
それでも全部、自分でどうにかしなければいけない。私がなんとかしなければ。
誰に言われたわけでもないのに、当時の私はそう思い込んでいました。
「助けて」という選択肢は私の中にはなかった。
そんなときに、知り合いからコーチングセッションを受ける機会がありました。
私の状況をひととおり聞いた後、コーチが、こう言ったんです。
「大変に思っているのはその事だけで、その他は問題ないのですね」
はっとしました。
頭の中のすべてを埋め尽くしていた問題が、急に小さく感じられたのです。
確かに、母と主人のこと以外は問題ないと言われればそうかもしれない。
誰かに話を聞いてもらうだけで、こんなに気持ちが変わるとは。
この体験で、いつかコーチングを仕事にしよう。そう決めました。
母はその後、父の献身的な介護で話せるところまで回復しました。
それから10年ほど経ち、母は亡くなりました。
若林と出会ったのは、ちょうどその頃です。


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