

先日、「ゴルフ×コミュニケーション」を活用した研修を開催しました。
テーマは 「声かけの力を体験する」
今回はテスト開催で、5名の方にご参加いただきました。
コミュニケーションは大切、しっかりとることが必要。
みなさんそう思っていると思います。
ところが、職場や家庭など日常の色々な場面での「声かけ」は、無意識になんとなく行なっていることが多いのではないでしょうか。
「どう声をかけるか」「どんなタイミングでかけるか」は、相手に与える印象が変わり、結果として相手との関係までも影響を及ぼすとても大切な要素です。
この「ゴルフ×コミュニケーション」研修ではゴルフ未経験者の方でも打つことができるパターを使い、さまざまな“声かけパターン”を実際に体験してもらいながら「他者理解」と「自己認識」を深める時間となりました。
声かけを通じて見えてくる「違い」
声かけワークでは3つの声かけのパターンを行い、どう感じるかを体験してもらいました。
声かけその1「無視する」
声かけその2「批判、非難する」
声かけその3「褒める」


人と違う反応をする自分。
同じ声かけでも人によって感じ方が違うこと。
そして、こういう声かけされると嬉しいと感じる自分。
そんな“違い”を意識できた瞬間、
「相手の立場で考える」
「自分がどうしてほしいかを理解する」
という、自分の思っていることと他人は同じではないという気づきが生まれます。
研修の中に取り入れたゴルフレッスン

研修の中では、パターのレクチャーの時間もとりました。
私が普段のレッスンで伝えている逆算ゴルフの「上達のための6つの要素」から、
今回は特にフィジカルとスイングにフォーカスして、「立つ」「構える」「打つ」 をお伝えしました。
- 「立つ」では、重心バランスを確認し、自分が安定できる位置を体感。
- 「構える」では、芯で捉えやすい姿勢を意識。
- 「打つ」では、YouTubeでもおなじみの「トン、1、2」のリズムを意識してスイング。


初心者の方でも練習をしていくうちに、ボールの転がりが変わっていくと表情も変わっていきました。
逆に経験者は無意識に“いつもの自分の打ち方”に戻ってしまっていたので、敢えて「一度そのやり方を手放してみる」ということを意識してもらいました。
パター対決の関わり方の違いは、私の経験と同じだった
最後のワークは、チームに分かれてのパター対決。
1回戦目は、周囲が自由に声かけやアドバイスをしてもOKの「なんでもありバージョン」
2回戦目は、自分でうまくいくように自分自身で環境を整える「セルフマネジメントバージョン」
このパター対決では私自身の過去と現在の変化をお伝えしたくて取り入れました。
1回目の「なんでもありバージョン」は研修生・現役時代の私です。
師匠の教えやその後の指導者のアドバイスは絶対的なものでYES以外の選択はなかった。
教えてもらったことが全てでした。疑問を持つことさえなかったのです。
また、プロになってからいただいた周りからの声援はありがたいものだったと同時に、結果が出ないときはプレッシャーに感じていて、声をかけられること自体が怖くなった時期もありました。
けれど、コーチングに出会ってコミュニケーションを学ぶ中で、
「自分がどんな声かけをされると力が出るのか」
「どんなサポートを求めているのか」を自分で理解できるようになりました。
自分自身を理解できて初めて、周りにリクエストができるようになりました。
そして、必要な時に“声をかけてほしい”とお願いできるようになり、安心して挑戦できる環境を自分で整えられるようになりました。
すると、不思議なことに「ちょっとドキドキする目標」にも自然とチャレンジできるようになって行きました。
ちょっとした声掛けの連続で人は自分に自信が持てず不安になることがある。
しかし自分を知っていくことで頑張れる環境づくりが自分で周りと一緒に作ることができる。
すると、セルフイメージが自然と変化していき軽やかに行動ができていく。
そんな私の体験を皆さんにシェアしました。
勝敗よりも大切なこと
この研修で大切にしたかったのは「勝負に勝つこと」や「パターを上手くなること」ではなく、
関わり方の違いでどう感じるのかということでした。
声をかける、見守る、任せる、助けを求める。
その一つひとつの行動が、相手との信頼やチームの雰囲気をつくっていくことを体で感じてもらいました。
全体シェアでは、
「自分の声かけのクセに気づいた」
「声かけのタイミングの難しさを感じた」など、
リアルな気づきの声がたくさん出ました。
参加者の声から見えたもの
「頭と身体を使って自然に他者理解が深まった」
「子どもたちや職場の関係にも活かせそう」
「ゴルフ未経験でも楽しめた!」
「タイプ分けを初めて知り、自分の関わり方を見直すきっかけに」
どの言葉にも共通していたのは、
“体験することで得られるリアルな学び” でした。
座学では得られない「感情の動き」や「その瞬間の反応」。
リアルならではのエネルギーで本当の意味での“コミュニケーション力”が育つのだと感じました。
次のステップへ
今回のテスト研修は、チームづくりや人材育成の現場だけでなく、
福祉・教育・スポーツなど、さまざまな場面で活かせる可能性を感じるものでした。
これからも、ゴルフというツールを通じて、
「人と関わる力」や「自分を理解する力」を育む研修として発展させていきたいと思います。


コメント