先日レッスンにご参加いただいたHさん(70代)はキャリア何十年のベテランゴルファー。長いゴルフ人生はご自身の感覚を磨き上達してきたセンスの持ち主です。
そのHさん、突然アプローチでシャンクが出始めました。
その影響からアイアン全般までおかしくなったというお悩みを話してくださいました。今まで感覚でゴルフをしていただけに、突然調子が崩れてどう戻せばよいのかわからなくなってしまったそう。
さらに良かれと思い、まわりの仲間がくれるアドバイスがさらに混乱を大きくさせてしまったようです。
そこで今回は「ボールが飛ぶ」という理論について朝のヒアリングセッションでホワイトボードを使って解説しました。
「シャンク」を簡単に説明すると、打った後に大きく右方向に飛び出していく球筋のことです。
シャンクの原因と修正方法はいくつかあります。
ですが、こちらからそれを提案するよりもまず、Hさんがなぜ、シャンクが起きているかを一旦理論で理解してからご自分に合った修正方法を探していく方が、今後のラウンドには有効だと感じました。
球の飛んでいく原理原則をホワイトボードに視覚化して解説することで、まず「知ること」ができたので、その後の練習場でのレッスンの時に、ご自分がイメージしていたクラブ軌道と実際のクラブ軌道が違うということに気付かれました。
Hさんが気付けた理由は、練習打席に立ちマットの上のボールをアイアンで打っているのに、ボールの先に置いてあったドライバーのゴムティを叩いていたからです。
たまたまボールを置く位置が置いてあったティの手前だったという偶然ですが、座学の時間がなければ、ティに当たった理由に気づくことはできなかったのではないでしょうか。
ただなんとなく、もう少し手前にボールを置こうかな、いう修正になっていたかもしれません。
この気付きは大きいです。
いくらコーチがアウトサイドインの軌道になっているとフィードバックしたとしても本人が腹落ちしないまま調整しても、手応えがないからです。コースでもコーチのフィードバックがないとできているのかどうかわからなくなります。
結果、不安になってしまいます。なので、自分で判断できるポイントやものさしを持てるのは大切です。
Hさんは、「私、こんなにアウトサイドイン軌道になっているの?」と言葉に出しながらゴムティに当てないように練習をし続けていました。その後の午後のラウンドでも修正しながら回ることができていました。
子どもの頃からゴルフをしている人や長年の経験から感覚で上手になった方は感覚に頼っている分、何かのきっかけで調子を崩した時、頭でイメージしていることと、実際起きていることのギャップが大きければ大きいほど戸惑い、混乱して立て直すことが難しくなるケースがあります。
色々なHOW TOを取り入れる前に、まず、今何が起きているか?を客観的に理解して、適切な修正や練習をしていくことをおすすめします。
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